やりがいをアピールするのはそもそもおかしいという話

介護業界ではやたら「やりがい」という言葉がよく飛び交ってる。

意識高い系の働いてる人の口からも出てくる言葉でもあるし、介護職の求人にもよく使われてる言葉。

まあ、個人が口に出すのはまだ自由として、企業側がやりがいアピールをして求職者を集めようとするのはそもそも違和感がある。

この業界にいてずーっと持っている違和感を今日は文章で残しておきたい。

やりがいの基準や内容は人によって違う

介護士の中には利用者の笑顔を見ることにやりがいを感じる人もいれば、ありがとうを言われることが嬉しいという人もいるだろう。

しかし、中には時間通りに仕事を終わらせて帰ることがやりがいの人もいるかもしれない。

効率良くスピード感を持って仕事が終わるのは気持ち良いからね。

あるいは、オムツ交換を正確にすることにやりがいを感じる人もいるかもしれない。

なんならやりがいなんてどうでもいいから生活のためにとにかく頑張っている人からしたら鬱陶しいだろう。

ようするに個人が感じるやりがいの内容なんてバラバラだし、なにをもって「やりがい」というかなんてわからないという話だ。

企業側がイメージしているやりがいと求職者側が持っているやりがいの定義は違う可能性がある

特に求人でやたら「やりがい」アピールをしている企業に聞いて欲しい。

あなたたちは何を持ってやりがいと言っているのか?

例えば、あなたたちが意味するやりがいが求職者側が思うやりがいと一致しない場合はどうするのか?

あなたたちは利用者様から「ありがとうを言われる」と定義してやりがいといくら訴えても、

求職者にとっては違う可能性は大いにあるし、

前にも話た通り、やりがいの基準や内容は個人によって違う。

つまり、そもそも相手に与えたり、提示できるような代物ではないということだ。

残念ながらやりがいアピールでは求職者からは魅力的には見られない

慢性的な人手不足、

なくならないブラック介護施設、

一向に解決しない労働環境問題などなど、

今の問題だらけの介護業界ではそもそも「やりがい」を感じる機会は少ない。

全くないわけではないが、問題が多すぎる職場で働いている介護職は日々の運営を回すだけで精一杯。

体力的にもきつい、精神的に疲弊し、常に時間に追われる、無茶なワンオペ体勢とか極限の職場を経験している人からしたら「やりがい」なんて感じる余裕がない。

そして、こういう問題を身をもって経験している介護職からしたら、やたらやりがいだけアピールする企業なんて胡散臭いことこの上ないし、余計に警戒する対象でしかない。

本当に人を集めたかったら「やりがい」アピールはやめるべきだ。

別の強みを作る努力を各事業所が常日頃から行う必要性がある。

それが賃金なのか人間関係なのか、働きやすさなのか、色々あるだろうが、とにかくやりがい以外のもので勝負しないと人は集まらない。

見る側からしたらこの業界でのその言葉はもはやため息が出る言葉なのだ。

またか…と。

まとめ

今回は過度にやりがいをアピールする風潮に対して物申させてもらった。

やりがいの内容は人によって違うし、それは他人が与えられるような代物ではない。

あと、やりがいや社会貢献みたいなことは別に介護業界に限った話ではないはずだ。

この介護業界が過度なやりがいアピールしなくていいような業界になることを管理人は願っている。

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