「弱っていく利用者さんを見るのが辛い、利用者さんの死を受け入れられない…」
「こんな辛い気持ちのまま仕事するのが辛いけど、どうしたらいい?」
介護士として夜勤中などに多くの看取りを経験した僕が悲しい気持ちでしんどい思いをしているあなたにどうしても伝えたいことがある。
おしながき
自分を責める必要はない。あなたは精一杯やった
介護施設で看取りをする場合、介護士ができることは限られている。
優しい声かけをしたり、清拭や適度な検温や血圧、様子など随時チェックしたりなどなど。
でも医療行為はできない。
だから利用者さんの死は僕ら介護士にはコントロールできない。
気づかないうちに息を引き取っていた、発見が遅れたなど、これも看取りをしているとよくあること。
それもあなたのせいではない。
そういう難しい状態でもあなたはあなたができることを全力でやったことに価値がある。ましてや自分の身内ではない人にそこまでできるってなかなかできないこと。
永遠に生きられる人間なんていない。だからこそ、僕たち介護士のお仕事は利用者さんの最後をご本人の立場に立ってサポートする役割を全力でできれば良いと思う。
後悔は次に活かせる
「ああしてあげればよかった」
「もっと優しくしていれば」
利用者さんに限らず、身近な人が亡くなったあとは多くの人がそう思うし、あなたがそう思うのはわかる。
ならもっとこうしてあげればよかったと思う行動を次の看取り、もしくは普段の仕事の中で利用者さんにしてあげるといい。
ただ、正直それでも利用者さんが亡くなった時はまた別の後悔をすると思う。
そしたらまた別の機会にそれをすればいい。あなたが感じた後悔は決して無駄にならない。
あなたがそうしてあげたいと思う行動は介護現場では常に求められてる機会が多いから。
あなたが介護士でいることで助かってる人がいる
「利用者さんの死が受け入れられなくて介護が向いてないかもしれない…」
「利用者さんが亡くなると泣く」
人が亡くなって悲しむのは全然普通の感情です。
そこで介護士として向き不向きが決まるわけではないです。
この介護業界はものすごい人手不足が当たり前になっている業界。
そんな中で、あなたが介護士であることで介護士として働いてることで助かっている人が多くいます。
- あなたのケアを求めている、必要としている利用者さん
- 自分たちの介護の負担を軽減したい利用者さんのご家族
- 施設を運営している経営者
- シフトを組む管理者
- できるだけ連携をとって仕事の負担を減らしたい他の介護職員
介護士がいるから施設が運営できる。
介護士がいるから自分たちの生活ができる。
あなた1人の存在でこれだけの人の手助けができている。
だからあなたはあなたがやっている仕事にもっと誇りを持っていい。
他の人の反応を気にする必要はない
「泣いてない職員」
「いつもと変わらない笑顔で仕事している職員」
「慣れてしまっている職員」
このような職員を見たときに、悲しくないのかどうか。
あるいは、慣れてしまうものなの?と疑問に感じることもあると思う。
でも介護のやり方や考え方が人それぞれ違うように、死への反応も人それぞれ。
利用者さんの死に慣れることは変なことではない。
これだけではなく、性格や価値観、今までしてきた経験も人それぞれ違う。
だからあなたはあなたの感情や考え方を1番に大切にすればそれで十分なんだよ。
間違っても利用者さんの死が悲しくて耐えられないほど優しいあなたは間違っていないし、それもまたあなたの良さだと思う。
そこだけは覚えておいて欲しい。
人が亡くなった後はどんな反応の方が良い悪いなんて看取りにはないんだから。
どうしてもしんどいなら現場を離れてみてもいいと思う
介護職を離れてみたり、あるいは、容体が急変する方が少ないデイサービスに転職してみるなど、いろいろ方法はある。
仕事をしながら考えてみるのもいいし、一旦介護職から離れてみてじっくり考えてみてもいい。
ただ、1つだけ勘違いして欲しくないことがある。
悲しい感情がずっと残ってるからと言ってそれは介護職が向いてないということではないからね?
最初の看取りは僕も辛かった
僕は今まで夜勤で何度も多くの利用者さんを看取ってきた。
それこそ、いつの間にか息を引き取ってい方もいれば、息を引き取るその瞬間に立ち会ったこともある。
だから、あなたが辛い気持ちはとてもよくわかる。
介護士として働き始めて最初の方は利用者さんが亡くなった時、とても悲しくて、家に帰っても何もする気が起きなかった。
でもいつの間にか看取りには慣れてしまった。
いや、慣れたというよりかは看取りに対する捉え方が変わった。
何度も言うが、僕たちは人の死はコントロールできないし、必ずその時は訪れる。
だから、できるだけ利用者さんらしく、苦しまずに最後を見取ろうと思うようになった。
それから利用者さんが亡くなった時に毎回気になるのは、苦しまずに逝けたかどうかということ。
僕が看取ることによって少しでも苦痛が和らげば、気が紛れれば。
そう考えながら看取りのケアをすることに全力を注いでいる。
現在も。そしてこれから介護士として働き続ける限り、僕はそのスタンスで働く。
利用者の死が辛いあなたへ介護職員の僕が伝えたいことまとめ
今回の記事で僕が優しいあなたに伝えたかったことは、自分を責める必要はないし、その悲しみは次につなげられるということです。
人の死に対して悲しめるということもあなたの良さであり人間性。
看取るたびに悩んだり葛藤しながらも日々精一杯頑張ってるあなたを、僕は同じ介護士としてリスペクトしています。
そんなあなたと接することができた利用者さんはきっと幸せだったはず。